スノーマン*☆セレナーデ
ということで、その不安の芽を摘み取るため、あたしはここに居る。
あたしが逃げないように、桃ちゃんが途中まで付き添ってくれたけど。
「じゃ、あとは健闘よろしくっ」
なんて、早足で逃げ去った。
だからあたしは今、月人君の通う武蔵野二校の校門の前で、一人、マフラーに顔を埋めて立ち尽くしている。
二校は共学だから、他校の女子が校門で待ち伏せ、なんてシチュエーション珍しいのだろう。
行き行く男女の視線が痛い。
悲しい程に恥ずかしい。
まさに、最悪のシチュエーションだ。
――心が折れそうだよぉ……
やっぱ、帰ろうかな……
佐々木順、絶対絶命のピンチです。