スノーマン*☆セレナーデ

ということで、その不安の芽を摘み取るため、あたしはここに居る。

あたしが逃げないように、桃ちゃんが途中まで付き添ってくれたけど。


「じゃ、あとは健闘よろしくっ」

なんて、早足で逃げ去った。


だからあたしは今、月人君の通う武蔵野二校の校門の前で、一人、マフラーに顔を埋めて立ち尽くしている。

二校は共学だから、他校の女子が校門で待ち伏せ、なんてシチュエーション珍しいのだろう。

行き行く男女の視線が痛い。

悲しい程に恥ずかしい。

まさに、最悪のシチュエーションだ。


――心が折れそうだよぉ……

やっぱ、帰ろうかな……


佐々木順、絶対絶命のピンチです。
< 23 / 47 >

この作品をシェア

pagetop