スノーマン*☆セレナーデ
「あれ? 受け取れませんって……」
「もう、暫く、携帯の電源、入ってないみたいで……」
「……それって……」
その言葉の続く先が怖くて、耳を塞いだ。
「あのお馬鹿さんのことだから、充電切れよ、きっと。
さ、兎に角行きましょ。
確か、まだ図書室にいた筈だから」
あたしの手を耳からそっと剥がして、真輝さんが優しく手を引いて歩き出した。
「でも……、あたし部外者だし……」
「部外者ったって、同じ高校生でしょ。
不審者が侵入した訳じゃあるまいし、見咎める人なんて居ないわよ」
真輝さんは、澄ました顔でどんどんと先を急ぐ。