スノーマン*☆セレナーデ


振られた真輝さんは、真面目な顔でそれに応えた。


「そりゃぁ……、星降る夜に二人っきりの山奥で熊に出くわすとか。

月明かりの海辺で、ウミガメの産卵に遭遇するとか。

まぁ、無難に、クリスマスのイルミネーションを二人でゴンドラから眺めるとか?」


――一番が熊で、二番がウミガメかぁ……


「えっ、えっ、で、順はどれがいい?」


「あたし、一番!

で、月人くんと熊の格闘シーンを観戦するっ!」


「よしっ、じゃ、山でキャンプで決まりだなっ!」


「って、やだ!

二人とも本気じゃないわよね?」


真輝さんは、あたし達のやり取りを本気にして焦ってたけど。

こんなの、いつものこと。

月人くんは、ほんとノリが良いの。

放っておくと暴走する時もあるけどね。

真輝さんさんのお蔭で、やっといつもの二人の関係に戻れた気がしたよ。
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