スノーマン*☆セレナーデ
草笛のような掠れた声で、
「Thank you」そう聞こえた気がした。
「誰?」
問いかけたあたしの声に、静かに風のような掠れた声が言葉を続けた。
「僕には耳がないから君の声は聞こえないけど、プレゼントありがとう」
周りを見渡してもそこには一面の雪しかなくて。
「スノーマン?」
声を発したのがあたしでないなら、それは雪だるまに違いなかった。
「お礼に、君を愛する人のところへ連れて行ってあげましょう」
そう言って彼は身を震わせた。