My life without meaning
 私は慣れた手つきで裕太にメールを送る。

「うち、遊びに来る?」

短くても、色々な意味が含まれたこの文をもう何度打ったことだろう。すぐに返信を知らせるメロディが鳴る。裕太だけの特別な音。その音さえも嬉しそうに聞こえてきて、舌打ちしたい気分になる。

「ガッコの準備できたら行くょ♪待ってて。」

 若い子らしく小文字と絵文字で飾られた文面に年の差を痛感させられる……。

 わざとそっけなく携帯を投げた。



 30分もしないうちに彼はやってきた。色々な期待をこめて。普段と変わりなくキッチンに立ち、紅茶を入れる準備をする。


 ふいに後ろから抱きしめられる。髪にかかる息、首筋へのキス……そして私のツボを心得たかのような強さで耳朶を甘噛みする。私の頭の中では色々な思いが駆け巡り倒れこみそうになる。



 背徳感とそれから来る甘美な興奮。


 私は「悪魔」なのかもしれない……。
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