My life without meaning
 美紀さんと一緒にビーチに来るようになった裕太は、彼独特の柔らかい雰囲気のせいか、主婦たちのマスコット的存在になっていた。
公然と「私、裕太みたいな子好きだわ♪」と言う人も。
 私は、黙ったまま目線を彼に向けた。楽しそうに小さな子どもたちと遊ぶ姿を見て、少しだけ暖かい気持ちになった。

 ぼんやりと見つめていた時、強い視線を感じた。

 力強く真っすぐと私を捉える目……。


子供たちに向けるそれとは完全に異なる「オトコ」の目だった。


 その目に捕われた瞬間、もう逃げられないような気がして身動きが取れなくなった。
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