【短編】幼馴染みな僕らだから
穏やかな風が吹き抜ける。
智輝は記憶を遡るように考え込む。
――昔、俺は麻耶に何を言ったっけ?
「う〜ん」
考え込む智輝を楽しそうに見る麻耶。
「何か……色々ありすぎて何れの事を言ってんのかサッパリでございますが、お嬢さん?」
「何? その口調」
ギブアップと言うようにふざけた智輝の口調が面白かったようで麻耶は吹き出した。
まぁ、それを狙っていたのも事実だったりする。
「ヒントは?」
智輝はそんな事を思いながら麻耶に言った。
麻耶はええーっと最初は抗議の声をあげると
「しょうがないなぁ……じゃあ、ヒントは『鳥と空』ね。大ヒントなんだからッ」
少し唇を尖らせて言った。