【短編】幼馴染みな僕らだから
「……お前覚えてたの?」
「うん。嬉しかったから……」
驚く智輝に照れたようにだけど本当に嬉しそうに笑う麻耶。
「……小さい頃の約束だけどね……私は凄く嬉しくて……辛いとき、いつもこの時のことを思い出して……でもッ――」
「でも?」
次の言葉が気になる智輝は首を傾げた。
「……覚、え……てない? その後、言っ……た、こと……?」
麻耶は困ったような切ないような表情になってり、声も段々と小さくなっていく。
――覚エテイタ?
もう1つの約束もか?
――瞬間
智輝は麻耶を抱き締めた。麻耶の華奢で小柄な身体はスッポリと智輝の胸に収まった。