【短編】幼馴染みな僕らだから



「……お前覚えてたの?」

「うん。嬉しかったから……」


驚く智輝に照れたようにだけど本当に嬉しそうに笑う麻耶。


「……小さい頃の約束だけどね……私は凄く嬉しくて……辛いとき、いつもこの時のことを思い出して……でもッ――」


「でも?」



次の言葉が気になる智輝は首を傾げた。


「……覚、え……てない? その後、言っ……た、こと……?」



麻耶は困ったような切ないような表情になってり、声も段々と小さくなっていく。




――覚エテイタ?

もう1つの約束もか?













――瞬間








智輝は麻耶を抱き締めた。麻耶の華奢で小柄な身体はスッポリと智輝の胸に収まった。



< 13 / 18 >

この作品をシェア

pagetop