【短編】幼馴染みな僕らだから

麻耶は気付いていないのだろうか。俺がお前を……。


「好きだから……大事だから……嫌だったよな？」



何処か切なげに言う智輝を見て麻耶は驚く。



――そして、言葉を選ぶように目線を下に向けるとまたゆっくりと智輝を見た。



「……イ、ヤじゃ……ないよ？ ただ、いきなりだったから吃驚しちゃって」



「悪い……麻耶の気持ちも聞かずに」



アハハと乾いた笑いをする麻耶に今更ながらやった事を後悔する。














何やってんだろう俺。





麻耶の気持ちも何も考えてねぇ。
これじゃあ、ただの独り善がりだ――。















勘違いだったんだよな。




覚えてるからって麻耶が……俺のこと……――。