【短編】幼馴染みな僕らだから
重なる気持ちと
「そうじゃないよ」
麻耶は智輝の心を読んだようにタイミング良く言う。
真っ直ぐで澄んだ瞳で智輝を見上げると
「嬉しかったから……その――」
――――私も智輝が好きだから。
近くて遠い僕らだから
すれ違って遠ざかって
この関係が崩れるのを怖がって
本音が中々言えなかった。
だけど、君は何時だって傍に居て
笑ってくれる。
ありきたりな日常は
ちょっとの勇気と勢いで
壊れてしまうけど。
ちょっと変わった僕らは
もっと近付くことができたのだから。
-HAPPY END-