【短編】幼馴染みな僕らだから
流れる雲を見つめて
「ああ、そうだね。本当に馬鹿だよね。智輝は」
智輝はハッと我に帰ると声がした左側に首を動かす。
「なっ……」
驚く智輝の顔を見てしてやったりと言うように笑うのは──。
「麻耶……?」
「ん? そうだけど」
「てか、今授業じゃん。何でお前居るわけ?」
まぁ、現在進行形で授業サボってる俺には言われたくないだろうが……。
案の定、麻耶は少しムッとしたのか唇を尖らせて言う。
「現在進行形でサボってる智輝に言われる筋合いがないんだけどなぁ……」
「それもそうだよな」
そう智輝が言うのを最後に二人の会話は途切れた。