【短編】幼馴染みな僕らだから
「……どうした?」
少し驚きつつも至って冷静を装って聞き返す。
「その……」
呟くと意を決したように息を飲む音が聞こえた。
「えっと……昨日……ごめんなさい。私があんな格好するから……あんな派手な格好。私には似合わなかったよね。本当……」
弱々しく、麻耶の横顔は今にも泣き出しそうに見えた。
──……何で、
何で麻耶が謝るんだよ!?
アレは麻耶が悪いわけではないんだ。
いつも、化粧などしない。
直真面目な麻耶だから。
友達にしてもらっただろう化粧を施した麻耶は、まるで花の妖精が舞い降りたのではないかと思うほど見違えていた。
何処と無く、伏し目がちに近付いてきた麻耶はあまりにも綺麗で──俺は何だか気恥ずかしくなってしまったんだ。