何度でも言おう、君が好きだと。

「そうそう。
そんでね、3ヶ月間だけど来週から毎日通う事になるから、しばらく滝とはこうして会えなくなるよ。
今日はそれを話しに来たんだった。
すっかり忘れてた~」


俺はハルに

本当にハルが学校に通って真面目に勉強出来るのか、とか

始める理由がキラキラで可愛いからだなんて結果的に本当に働く気があるのか、とか

学校に行きながら家事も育児も出来るのか、とか

色々と聞きたい事はあったけれど



「そうか。まぁ頑張れよ」


全部飲みこむ事にした。


「うん、滝に褒めてもらえるように頑張るね!」


ハルはそう言うと一気にコーヒーを飲み干して

「じゃあ帰るね!また連絡するから!」

と言って俺の車から降りて自分の車に乗った。


手を振るハルに手を振り返し、動き出すハルの車を見ながら



お前には無理だよ。


そう思った。


「学ぶ」事も「働く事」からも逃げてきたハルが
家事と育児と学校と、なんて出来るわけがない。


たった3ヶ月間でも出来る訳がない。


1週間もすれば泣き言を言いながら

「ネイルスクール辞めました無理っした!」

と言うハルの姿が目に浮かんだ。
< 13 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop