何度でも言おう、君が好きだと。



それから次の日もその次の日も

俺は仕事に明け暮れた。



時折夜になると

これまた10年来の友人の飯田が


「ちっすーお疲れっすー」


と言いながら部屋にやってくる。


何をする訳でもない。

アポもしてこない。

思い出したかの様に突然俺の部屋にゴロゴロしにやって来る。



「飯田今日はもう帰れよ」


「なんでだよさっき来たばかりだろ」


「今週うち来るの何回目だよ。嫁さん怒るぞ」


飯田も既婚者だ。

長期連休には飯田の家族と仲間内とで出かけたりもする。

だから嫁さんとも面識がある。


「こないだ裕也熱出したって言ってただろ。帰ってやれよ。
熱が出てる時位父親が傍にいてやれよ」


「父親なんてなんの役にも立たんすわ。母親が一番です」


「そういう問題じゃないだろ」


飯田は俺の小言にも臆せず
コンビニで買って来たラーメンをすする。
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