何度でも言おう、君が好きだと。
「ああ、そういえば」
「なんだよ、まだ家には帰らんぞ」
しつこいな、どんだけ帰りたくないんだよ
と思いながら俺は話を続けた。
「ハルがネイルスクールに通い始めたってよ」
「はぁ!?ハルが!?」
飯田はやはり驚きを隠せず
食べていたカップラーメンを机の上にドンッと音を立てて置いた。
「そう、ハルが」
「働きたくな~いが口癖の?」
「そう、そのハルが」
「学校行ったら働かない訳にはいかんだろ。
ネイルスクールなんて金かかるんだし。
あいつ大丈夫な訳?」
「知らんけど、大丈夫大丈夫!だと」
「いや絶対大丈夫じゃねーだろ。だってハルだぞ」
大丈夫ではない、という事が飯田の中で確信に変わったのだろう。
何事もなくまたラーメンをすすり始めた。