何度でも言おう、君が好きだと。
ああ…暑い……
夏の暑さが身に染みる。
一人じゃ滅多に酒なんて飲まないけれど、こうも暑いとビールが飲みたくなる。
「今日はビール買って帰るか」
職場の休憩所で思わず呟く。
「あら、滝ちゃんもお酒飲んだりするの?」
それにパートのおばちゃんが反応した。
「ええ、たまにですけどね」
「うちの旦那なんて毎日ビール飲み散らかして寝てるわよ!
飲まないのが一番よ、一番!」
「はぁ…」
ビール、という単語が地雷だったか。
しまった。
おばちゃんの愚痴スイッチを入れてしまったかもしれない…。
「私も滅多にお酒は飲まないんだけどね、暑くなるとたまに飲みたくなるのよね」
「そうなんですよね。冬は別にそんな事思わないのに」
「不思議よね。でも滝ちゃん、もう夏も終わりよ。
うちの娘の学校、もうすぐ始まるもの」
「あれ、もう夏休み終わりですか」
「そうよ、あっという間よね。
こんなに暑いんだから、まだ夏のような気がするけれどね。
なぜか夏休みが終わると、もう夏も終わりのような気がするのよ」