何度でも言おう、君が好きだと。
「それに、ほら」
ハルは走って滑り台の上に上り、空に向かって指を指す。
「星も綺麗じゃん。夏の方が」
そういうハルの後ろにも星が瞬き
それはまるでハルが輝いているかの様にも見えた。
「ハル、君は知らないかもしれないけれど、星は冬の方が綺麗に見えるんだよ」
「え!!!マジで!?」
「冬の方が空気が澄んでるから綺麗に見えるんだよ。
ここは山ばかりの田舎だから夏でも綺麗かもしれないけどね、
一般的には冬の方が綺麗とされているよ」
「マジか!!!!!ハル騙された!!!!!!」
「誰に?」
「田舎に!!!!!田舎マジックにかけられてた!!!!!!」
ハル、田舎は人を騙したりはしないよ。
それは君がただ単に、バカなだけなんだよ。
俺は昔のハルに、そう答えながら
仕事に戻った。
夏ももう終わりだ。