何度でも言おう、君が好きだと。

すぐに泣き事を言うと思っていた。

すぐに辞めると思っていた。


「勉強無理っす」

と言って高校を辞めたハル。


「働くの無理っす」

と言って出来婚したハル。


ハルの中には
「努力」とか「根性」とか
そういう物は存在しない。


「嫌な事をしているなんて、そんなの時間が勿体ないじゃん」


いつかのハルの言葉が頭をよぎる。



「すげぇな、ハル。偉いよ」


「そうでしょ!」


えへへ、と笑いながら得意げにハルが言う。


「だってそこの学校の社員さん、イケメンだし!
これは頑張るしかないでしょ!」




前言撤回。

やはりハルはハルだ。


さっきの感覚は一体なんだろう。

と思いながら、確実に安堵している自分を感じた。
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