何度でも言おう、君が好きだと。
突然の真面目な話に
「…俺十分幸せだけど?」
もしかしたら動揺を隠しきれなかったかもしれない。
ならいいんだけどね。
ちょっと心配になったからさ。
そう言ってハルは紅茶をフーフー冷ましながら、そっと口に流した。
「そんな事より、お前は自分の心配をしろよ」
動揺した事がバレていたらどうしよう、と慌てて咄嗟に口から出た言葉だった。
本当は
心配してくれてありがとう、俺は大丈夫だよ。とか
気にかけてくれてありがとう、でも俺はもう気にしてないから。とか
そういう事が言いたかった。
せっかくハルが気を使って言ってくれたのに、さすがのハルも嫌な気持ちになっただろうか
と思ったのもつかの間
「うっせ!!!!!最近はちゃんとやっとるわ!!!
ハルちゃんはやりゃ出来る子なんだから!」
そう答えたハルはいつもの満面の笑みだった。
「だったらもっと前からやっとけよ」
「能ある鷹は爪を隠すのよ、滝知らないの?」
「26年はちょっと隠しすぎだろ」
ハルが心配する訳を、俺はよく解っていた。