何度でも言おう、君が好きだと。
「そうも言っとれんぞ。
俺らは夕方過ぎに帰ってきてその後レポート書かないといかんしな」
「レポート!その話もうやめて―――!」
テレビを見ながら友里が叫んだ。
キムチのいい匂いがする。
「こんなクソ暑いのに鍋って」
「暑い日に辛い物を食べる、これ最高じゃないすか」
「酒もすすむしな」
「さ、じゃあそろそろ始めますか!」
乾杯、の合図と共にビールに口をつける。
若林と友里が思い思いの事を喋る。
ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ喋る。
テレビの音なんて聞こえるわけがない。
それを綾がニコニコしながら見守る。
俺は、そんな綾を横目でチラチラ見ていた。