何度でも言おう、君が好きだと。

するとすぐに

「すぅ…すぅ…」と

綾の寝息が聞こえてきた。


寝た…のか…?


そっと綾の顔を見ると、うっすら笑みを浮かべたような

なんっとも可愛い顔で眠っていた。


じとっとした夏の暑さとシャンプーの匂い

綾の手のぬくもり。



綾は俺の事が好きなのか?

違う、酔っぱらっているだけだ。

そうだ綾は酔っぱらっているだけだ。

そんなことはない。
ハルじゃあるまいし、綾は酔っぱらっているからってこんな事するような女ではない。

じゃあヤっちゃう?ヤっちゃうの?

バカふざけんな若林達寝てるだろ。

いやそういう問題じゃねーよまだ付き合っているわけじゃないのに。

キス位いいだろうキス位は。

良くねーよバカぶん殴るぞ!



俺の中の沢山の俺による俺会議は
朝まで理性が本能をフルボッコする形で幕を閉じた。


そう、朝まで一睡も出来なかったのだ。

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