何度でも言おう、君が好きだと。

そこからどれだけの日が流れただろうか。

そこから何回、皆で集まって酒を呑み交わしただろうか。


季節は冬になっていた。


「滝君、今日はみんなでおでんだよ」


「おでんかー、いいね。行くよ」


「じゃあ終わったら皆で買い物からスタートだよ」


「解ったよ」



あの日のあの一件があったから

綾は俺の事が好きなのだろうか…

と思っていた事もあったが

あれ以来綾は何も言ってこないし

あの事に触れられたことも一回もない。


もしかしたら酔っぱらって忘れている…?

俺が何か言った事により、綾が忘れている事を思い出してしまったら?

だとしたらすごく恥ずかしい気持ちにさせるんじゃないか。


そんな不安から、俺からも綾に何も言えないでいた。
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