寂しがりやの猫
それからの一週間は 本当にバタバタと過ぎて行った。
やり残した仕事や、結城への引き継ぎ。
とりあえず派遣が来るまで、と課長と田村にも仕事を引き継いだ。
課長は お前こんなに仕事やってたのか、とちょっと驚いていたが、私は そりゃ女がこの歳まで居ようと思ったら本気出さないと無理ですよ、と笑った。
最後の日の朝。
備品などを返したり、私物を片付けていると 田村がやって来た。
「あの 中河原さん」
「はーい、何?」
「随分 機嫌がいいんですね」
「そりゃあね。やっと ゆっくり休めるし」
「そうですか」
「なに?」
「あの男、もう来てませんか」
「ああ。お陰さまで ピタッと来なくなったよー。ありがとね」
「そうですか、良かった」
「そういえば 田村って なんかやってたの?めちゃくちゃ強かったけど」
「ああ。はい、ちょっと身体鍛える為にボクシングジムに通ってて」
「へえ」
思えば 田村は 意外性の塊のような男だった。
見た目は コミカルなのに、他は全てが二枚目で。
― 私と 正反対かも…
クスリと 一人で笑った。
やり残した仕事や、結城への引き継ぎ。
とりあえず派遣が来るまで、と課長と田村にも仕事を引き継いだ。
課長は お前こんなに仕事やってたのか、とちょっと驚いていたが、私は そりゃ女がこの歳まで居ようと思ったら本気出さないと無理ですよ、と笑った。
最後の日の朝。
備品などを返したり、私物を片付けていると 田村がやって来た。
「あの 中河原さん」
「はーい、何?」
「随分 機嫌がいいんですね」
「そりゃあね。やっと ゆっくり休めるし」
「そうですか」
「なに?」
「あの男、もう来てませんか」
「ああ。お陰さまで ピタッと来なくなったよー。ありがとね」
「そうですか、良かった」
「そういえば 田村って なんかやってたの?めちゃくちゃ強かったけど」
「ああ。はい、ちょっと身体鍛える為にボクシングジムに通ってて」
「へえ」
思えば 田村は 意外性の塊のような男だった。
見た目は コミカルなのに、他は全てが二枚目で。
― 私と 正反対かも…
クスリと 一人で笑った。