寂しがりやの猫
結局。

家に帰り、一人でまったりと飲んだ。

たまりにたまっていたドラマの録画を観たり、処分しそびれていた雑誌をパラパラと捲ったり、何をするともなく ぼんやりと過ごした。

思えば、就職して、一人暮らしを始めてからこんな風に何にも心を乱されることなく過ごすのは初めてだった。

いつも 恋愛関係や人間関係に ヤキモキしたり イライラしたりして感情が落ち着かないでいた。


― 田村、どうしてるかな…


昼間 逢ったばかりなのに もう思い出している。

けれど 感情が乱されるような気持ちではなく、どちらかというと友情に近い気持ちだった。

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