寂しがりやの猫
もう10日も過ぎていたので、神社には人も少なく、待つことなくお参りが出来た。


田村は 何やら神妙な顔つきで 熱心に参っている。


私も 手を合わせてちゃんとお参りした。

『田村と私がちゃんと居場所を見つけられますように』




「…何 お願いしたか 当てましょうか」

「え」

ドキリとする。

田村は 私の考えていることをいつも当ててしまうから…


「いいよ、そんなの。当たりっこないじゃん」


「わかります。白馬に乗った王子様が迎えに来てくれますように、でしょう?」


「あっははは!んな訳ないでしょ、ばか!」

私は また バシバシと田村を叩いて笑った。
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