寂しがりやの猫
「こんばんわ」

田村は真っ直ぐに私達を見て頭を下げる。
市川と真壁も仲澤に挨拶して 店に入って行った。


「奈都、ちょっと先に行ってて」


「え」


「な、田村 ちょっと」


「はい。なんですか」

田村は 明らかにムッとしている。

私は 仕方なくその場を離れた。

仲澤は 何やら田村に話をして、またこちらに来た。


「奈都。楽しみにしとけ」

クックッと仲澤は笑っている。


振り返ると 田村は 暫く私達を見て、店に入って言った。
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