寂しがりやの猫
「だけど、もしほんとにここに仲澤くんが居たらどうしてた?」

「それは…」


私は じっと田村を見つめた。

「すいません、やっぱりこないだの人みたいに殴ってしまうと思います」


「そっか」


私は 笑って田村に近付いた。


「なんかほんとにムラムラしてきた」

「え…」

「ばか。これ以上 女から言わせる気?」

「あ、あ、すいません…」


田村は ちょっと震える手で私を抱きしめてきた。

「奈都さん…」


「ふふふ… 駄目だ、やっぱり 笑っちゃうよ~」

「失礼ですよ」


田村はムッとして そのまま私の唇を塞いだ。

「ん… 」


田村の手がゆっくりと背中を撫でる。

私も田村の背中に手を回してドキリとした。
― うわ… 凄い筋肉…
鍛えているだけあって田村の身体は 硬く締まっていた。
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