寂しがりやの猫
「でも 田村、待ってて下さいって言ってくれたんでしょ」

「うん… そうだけど…」


「ね、奈都」

「ん」


「自分の気持ちから逃げるのやめな」

「自分の気持ち?」


「怖いんでしょ?本当は 田村のお嫁さんになりたいけど、歳上だし、田村にプレッシャーかけるのが嫌だから、素直になれないんでしょ?

もし 田村が42歳だったら 迷わず結婚してるよね?何年でも待ってるよね」


「…… うん… 待つ」
私は、悠里の言葉を一つ一つ噛み締めた。

「ありがと、悠里」

グスン…と泣くとまた悠里は頭を撫でてくれた。
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