寂しがりやの猫
「結城さん、大丈夫。もう得意先にも話ついてるし、誰にでもミスはあるんだから」

いつまでも隣で泣いている結城を慰めながらメールをチェックする。

「私だって しょっちゅうやってたよ。ミスすると次から気をつけるから成長になるんだよ」


「はい… ありがとうございます」

「顔、洗っておいで」

私が言うと はい、と言い残して結城は 席を立った。




その様子を 黙って見ていた田村が急に言った。


「中河原さんって やっぱり凄くいい女ですね」

ニヤリと笑われて 何よ?と睨む。


「カッコイイです」

「あんたなんかに誉められても嬉しくない」

私は なんとなく素直に喜べずに憎まれ口を言った。

< 27 / 214 >

この作品をシェア

pagetop