寂しがりやの猫
「今日、良かったらランチ行きませんか」

突然 田村に誘われて ビクっとなる。

なんで ランチくらいで動揺するのか 自分でも判らない。

田村の言動に いちいち反応してしまう自分が嫌だった。


「驕ってくれるなら いいよ。あ、角のJホテルのランチにしよ」

わざと高いランチを指定する。

確かJホテルのランチは 安いものでも2000円くらいしていた。


「いいですよ。じゃあ 俺 外回り行って来ます」


「あ、はい。いってらっしゃい…」


高い、とか 贅沢、とか 言われるかと思ったのに。なんだか拍子抜けしてしまう。

―田村って 謎…


私の中に そんな言葉が浮かんだ。
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