寂しがりやの猫
ランチを終えて 帰る途中、 市川が真壁と食堂から戻って来るのに出くわした。

「お、田村。モテてるなあ」

真壁が ふざけて田村の肩に手を回す。

「お前ほどじゃねえよ」

田村が言うと まあな、と真壁は笑っている。
真壁は、今年の新入社員の中では一番のイケメンで、他の課の女子社員達からも注目されていた。

ハハハ…と笑っている二人を横目に、市川はさっさと自分の席に戻ってしまった。
なんとなく 嫌な予感がしたが、余り気にしないでおこうと 自分に言い聞かせた。


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