寂しがりやの猫
シュウは 自分だけ達すると、私の顔に射精をした。

私は 目をきつく閉じてそれをやり過ごし、ティシューで涙と精液を拭う。


シュウは、さっさとデニムを履いて、また来るから、とだけ言い残して 部屋を出ていった。


バタンとドアが閉められ、しんと静まりかえった部屋で、私は 泣いた。

自分は 一体今まで何をしてきたんだろう。
男に求められることを幸せだと勘違いして、とうとうこんな目にあってしまった。


悲しくて 誰かに聞いて欲しかったけれど、寄り添ってくれる人も思いつかなかった。

悠里には 家庭がある。 迷惑はかけられない。


…ふ、と 田村の顔が浮かんだ。

どうしようもなくコミカルな田村の顔。

気がつくと 私は 結城にメールを打っていた。
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