寂しがりやの猫
「そんな人達と 何処で知り合うのよ?なんか嘘くさいなぁ」

私は にわかには信じられず、田村に詰め寄った。


「ああ、女子アナの彼女は、高校時代の同級生なんですよ。 モデルやってんのは 妹の友人で。 CAは そのモデルが連れて来てて。
女医のタマゴは 大学時代のサークルの後輩で… その友達が… 「あー 判った!信じる!信じるわ。田村って 凄いんだね」


私は なんだか馬鹿馬鹿しくなって来て 飲み物のお代わりを注文しようと メニューを見た。


「中河原さん、いい飲みっぷりですねー」

真壁が からかうように言う。


― どうせ酒くらいしか友達が居ない40女だって バカにしてるんでしょ?


そう思いながらも 真壁に笑顔を返す。


「そお~? ちょっと酔っ払っちゃったかな」

私は わざと 酔ったふりをして 笑いをとった。

その様子を 田村がじっと真面目な顔で見ている。

― なんなのよ… コイツ。笑うとかツっこむとかないわけ?

私が チラッと見ると 田村は ポツリと口を開いた。
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