寂しがりやの猫
田村と向かいあって座り 朝の用意をする。
パソコンを立ち上げて、ふ…と 前を見ると 田村もこちらを見ていた。
「あの、昨夜は」
思わず口から出ていた。
「あ、はい」
田村も パソコンを立ち上げる。
「変な電話してごめん。なんか 暇だったから、田村でもからかうかなーって思って」
「そうですか。暇潰しになりましたか」
「うん、なった、なった」
「なら良かった」
会話が途切れ ちょっと気まずくなる。
― お詫びに 今日はランチおごるよ…
大した言葉では無いのに どうしても言えなかった。
「中河原さん」
「あ、はい」
「駄目ですよ。情に流されたら」
「え」
「市川のことです。昨日も言ったけど」
「あ、うん。判ってる」
さらりと 話を変えられて、ちょっとガッカリする。
なんだか 田村の掌で転がされているみたい。
ランチ、誘いたいな… 今なら大丈夫だよね…
思い切って 顔を上げると ちょうど結城がお茶を配りに来てしまった。
私は 仕方なく言葉を飲み込む。
「ありがとう」
結城に礼を言って また顔を上げる。
結城は田村にお茶を置き 物凄く気軽に言った。
「田村くん、角のとこにオムライス屋さん出来たの知ってる?」
「いや、気がつかなかった」
「今日 美香ちゃん達と行くんだけど」
「なんだよ、また財布代わり?」
「駄目ならいいけど」
「しょうがないなぁ」
田村は 苦笑いしている。
私は また 結城が羨ましくなった。
パソコンを立ち上げて、ふ…と 前を見ると 田村もこちらを見ていた。
「あの、昨夜は」
思わず口から出ていた。
「あ、はい」
田村も パソコンを立ち上げる。
「変な電話してごめん。なんか 暇だったから、田村でもからかうかなーって思って」
「そうですか。暇潰しになりましたか」
「うん、なった、なった」
「なら良かった」
会話が途切れ ちょっと気まずくなる。
― お詫びに 今日はランチおごるよ…
大した言葉では無いのに どうしても言えなかった。
「中河原さん」
「あ、はい」
「駄目ですよ。情に流されたら」
「え」
「市川のことです。昨日も言ったけど」
「あ、うん。判ってる」
さらりと 話を変えられて、ちょっとガッカリする。
なんだか 田村の掌で転がされているみたい。
ランチ、誘いたいな… 今なら大丈夫だよね…
思い切って 顔を上げると ちょうど結城がお茶を配りに来てしまった。
私は 仕方なく言葉を飲み込む。
「ありがとう」
結城に礼を言って また顔を上げる。
結城は田村にお茶を置き 物凄く気軽に言った。
「田村くん、角のとこにオムライス屋さん出来たの知ってる?」
「いや、気がつかなかった」
「今日 美香ちゃん達と行くんだけど」
「なんだよ、また財布代わり?」
「駄目ならいいけど」
「しょうがないなぁ」
田村は 苦笑いしている。
私は また 結城が羨ましくなった。