寂しがりやの猫
「で?誰かに連絡先とか聞かれたりした?」

「あ、はい…。一応交換はしました」


「素敵な人?」



「うーん… まあまあです。でも…」

「ん?何?」


「中河原さん、ちょっと相談があるんですけど…。今日の夜 もし良かったら 時間作って貰えませんか」


― 相談ね…

女の相談っていうのは だいたいが自慢話か愚痴で、答えはもう出てしまっている場合がほとんどで。

こっちは ただ聞くだけでいい。

特に 用事も無いし、私は オッケーした。

「ありがとうございます」


結城は ホッとしたような表情で ニコッと笑い、またパソコンに向かった。

悔しいけど やっぱり可愛い。ニコッとされただけで ドキリとする。

若さって罪だよな…と思った。
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