寂しがりやの猫
夕方、仕事を終えて結城と一緒に会社を出た。

結城は 何故かちょっとウキウキしている。

「何?なんかいいことあった?」

聞きたくは無いが、この場合 聞くのが礼儀だろう。


「 あ、えっと。いいことというか… 大したことじゃないんですけど」


二人で 私がたまに課長達と行く居酒屋に入る。


課長といっても 私にとっては 1年先輩なだけなので、今でもたまに飲んだりしていた。


「わあ、女のコだけでこんなところに来るの初めてです」

結城は 嬉しそうに言う。


「そうなんだ」


「やっぱり 中河原さんって大人ですよね。さらっとこんな店に入れるんだもん。かっこいい」

誉められているのか バカにされているのかよく判らない気持ちで ありがとう、と言う。

二人でメニューを見て 適当に注文した。
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