寂しがりやの猫
「で、何かな。相談って」

あまり長居したく無かったので 早々に聞く。


もしかしから…と言う想いは確かにあった。

でも 本当にそうだったとは…


「私… 田村くんのことが好きなんです…」

結城が赤い顔で恥ずかしそうに言った。


頭の中で 何かが弾ける。

― ああ… そうだったのか… 初めて気がついたよ。

私も田村が好きみたい。


「そっか…。いいよ。お似合いだもん、二人」


ズキンズキンと自分で自分を傷つける。

どうせ私と田村じゃ歳が違いすぎる。

身長だって 釣り合わないし、だいたいなんで私は田村なんかが好きなんだ? どこがいいのよ、あんなお笑い顔。


自分で勝手に決着をつけてしまった。
< 62 / 214 >

この作品をシェア

pagetop