寂しがりやの猫
歳の差
「はぁ… 17歳差かあ」

悠里は カラカラと焼酎の氷を鳴らす。

「しっかし 奈都にしたら珍しいよね。そういう真面目なタイプ。しかもコミカルな顔って」

プッと悠里は 吹き出した。


「そうなんだよねー。私も 自分が信じらんないよ。まさかあんな奴に惚れるとは」

話してみると悠里は 案外あっさりと受け入れてくれた。

今まで散々不倫だのセフレだの言っていたのに比べたら 健全な恋愛だと判断してくれたのだろう。


「でも その千里ちゃんって言うの?強敵だねぇ~。アンタに無いもん全部持ってるわ」
ハハハ…と悠里は笑う。

確かに。結城は 私に無い物を全部持っている。


若さ。可愛さ。女のコらしさ。頼りなさ。可憐さ… それから…

考えると悲しくなって来た。

私って何があるんだろう。

「ね、悠里、私のチャームポイントって何?」


「ちゃ、ちゃあむぽいんとぉ?」

若干 酔ってきた悠里は 笑いながら言う。

「そうだなあ~。男前なとこ!あと顔が美人!それと結構 巨乳じゃん!」

そう言って悠里は 私の胸をムギュと揉んだ。

「ぎゃー 何すんのよ!」

「いいじゃん、減るもんじゃなし」

「減るんだよ!この歳になると」

「なんでよー」

私もお返しに悠里の胸を揉んでやった。

全く40女が二人で何をやってるんだか。

けれど 私にとってこの時間は 何よりも大切な時間に思えた。
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