寂しがりやの猫
「千里ちゃん、処女でしょ」


顔を覗きこむと はい、と小さな返事が返ってきた。


「アイツああみえて結構、経験豊富みたいだし、ちょうどいいんじゃない?千里ちゃんみたいなぷりぷりの身体抱いたら 田村、絶対夢中になるって 」


「やだ… やめてください」


結城は 顔を真っ赤にしたままトイレから出ていった。

― 刺激、強すぎたかな…

でも、私としては 早く二人が引っ付いてくれたほうが 余計な期待をしないで済む。

期待して傷つくのが怖い。


情けないけれど 本気で思った。
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