寂しがりやの猫
昼休み。


田村と市川と三人で ランチに行った。

市川が下調べしたらしいお洒落なカフェは カップルや女のコ同士で いっぱいだった。

少し待たされて席に着いた。

市川は ずっと下を向いて恥ずかしそうにしている。


「市川、何か話せよ。せっかく中河原さん来てくれたのに」

田村が 市川を肘でつつく。


「あ、すいません… わざわざ来ていただいて…」


私は 可笑しくなって プッと笑った。

「なに~? 人のこと 淫乱呼ばわりしたくせにぃ」

「あっ あっ あれは… 忘れてください!」

市川は ペコペコと頭を下げた。


「んー でも 当たってるよ。私、多分 淫乱だな」


「え」

二人が顔を上げる。

「ちょっといいな、と思ったら どんなエッチするのかなあ、とか すぐに考えちゃうもん。うん。淫乱だよね、これって」


市川は 顔を真っ赤にしている。

田村は 妙に真剣な顔で 私を見た。
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