寂しがりやの猫
「中河原さん」

田村が急に口を開いた。

寝たふりをして答えないでいると、田村は勝手に喋り出した。

「あんまり自分を苛めないで下さい」

「…」

「別に若い子達に気を遣って笑いとったりしなくてもいいんですよ。貴方は ちゃんと仕事しているし、みんな判ってますから」


「何よ、それ」

私は 目を閉じたまま言う。

「私が若い子達に気を遣ってるって言うの?」

「はい。脱ごうか、なんて言わないで下さい。軽々しく」


「別にあんなの…」

「想像してしまうこっちはヤバいです」

田村を見ると赤くなっている。


「すけべ」


「はい。スケベです。男は みんなスケベですから。ああいうこと言われたら 直ぐに想像してしまいます。市川もあの日、絶対ひとりエッチしてるな」


「プっ…バカみたい」

アハハ…と私は 声を出して笑った。

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