寂しがりやの猫
「バカですよね」

田村も笑った。


「田村もした?ひとりエッチ」


「え…」


田村が動揺したのを初めて見た。

「中河原さんって 案外…」


田村は 私のピッタリしたTシャツの胸を見た。


「あ、私、結構 巨乳だよ~。ほら」

胸を張ると、田村はちょっと赤くなった。

「だから、そういうの止めて下さいって」


「なんでよ~ オバサンの胸でも興奮するの?」

キャハハ…と笑いながら田村のほうに胸を張っていると、バスが揺れて 田村の右腕に乳房を押し付けてしまった。

「あ… ごめん…」


私は 慌てて離れた。

田村は 耳まで真っ赤になって下を向いた。

驚いたことに ちょっと股間を押さえている。


― あーあ… やり過ぎた…


私もさすがに 恥ずかしくなった。
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