寂しがりやの猫
ふと 田村のほうを見ると結城達と愉しそうに写真を撮っている。

仲澤も 部長や部下達とカラオケで騒いでいる。


― なんか、浮いてるよね、やっぱ…


確かに もう同期の女のコなんて居ないし、一番近い後輩でも 八歳も年下で。

そろそろ潮時なんだろうな…

でも 家賃払う為に他の仕事探さないとならないし。


今までも 『辞める』選択は 何度もあった。

けれど頑張って踏ん張り続けた。


パソコンが新しくなる度に猛勉強して、誰よりも詳しくなった。

そうやって しがみついて来たけれど。

― ハァ… もう疲れちゃったな…

仲澤くんの嫁にでもしてもらおうかな…

酔いの回った頭でぼんやりと考えた。
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