時が流れても(仮)
487

私の国が燃えている。

私の城が燃えている。

いつかこの戦いが起こるとは思っていたが。
思ったより早かったな。

『姫!!!!!』

派手な音で扉が開いたと思ったら、そこにいたのは泥と
血だらけになった騎士・ミラ

幼い頃から、私と国を守ってくれていたミラ。

『ここにいたのですか…。早く逃げましょう。今なら隠し通路から
隣国に逃げれます。』

真剣な眼差しを向けながら、私に手を差し出す。
この手を取れば、私は生き延びれるー…。

『何を言っている、ミラ。私が逃げてもこの戦いは終わらないだろう。』

窓の外、下を見れば何百人の兵士達が剣を持って最も欲しい物を
狩ろうと必死だ。

『見ていろ。今この瞬間に私は戦争を終わらせてやる。』

『………姫??』

窓から身を乗り出し、私は祈る。
私がいなくなった後の、この国の未来を。

幸せを。
復興を。
希望を。

『お止め下さい!!!!!姫!!!!!』

あとはー…

『任せたぞ、ミラ。』

宝石のようなドレスと、漆黒の髪をなびかせて。
私は堕ちた。

私の首を欲しがる物達の元へ。

そうやって、私は死んだ。














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