時が流れても(仮)
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私の国が燃えている。
私の城が燃えている。
いつかこの戦いが起こるとは思っていたが。
思ったより早かったな。
『姫!!!!!』
派手な音で扉が開いたと思ったら、そこにいたのは泥と
血だらけになった騎士・ミラ
幼い頃から、私と国を守ってくれていたミラ。
『ここにいたのですか…。早く逃げましょう。今なら隠し通路から
隣国に逃げれます。』
真剣な眼差しを向けながら、私に手を差し出す。
この手を取れば、私は生き延びれるー…。
『何を言っている、ミラ。私が逃げてもこの戦いは終わらないだろう。』
窓の外、下を見れば何百人の兵士達が剣を持って最も欲しい物を
狩ろうと必死だ。
『見ていろ。今この瞬間に私は戦争を終わらせてやる。』
『………姫??』
窓から身を乗り出し、私は祈る。
私がいなくなった後の、この国の未来を。
幸せを。
復興を。
希望を。
『お止め下さい!!!!!姫!!!!!』
あとはー…
『任せたぞ、ミラ。』
宝石のようなドレスと、漆黒の髪をなびかせて。
私は堕ちた。
私の首を欲しがる物達の元へ。
そうやって、私は死んだ。