時が流れても(仮)
2011 04
姫!!!!!と叫んでいた、あの男。
あの人はあの後、生き延びれたのだらうか。
幸せになれたのだろうかー…。
深夜3時。
私は思わずベッドから飛び起きた。
四月の夜はまだ肌寒い。
それなのに、私は汗をかいてて、手足が震えている。
このお伽話のような夢を見ると、いつもそうだ。
夢なのにリアリティーがあって、起きた後も鮮明に覚えている。
16歳の頃からこの二年間、繰り返し見る夢。
幸せそうに笑う姫
怒られている姫
戦う兵士達
燃えている国
場面は様々で、どれも鮮明に記憶に残っているせいか、起きた後は逆に疲れてる。
私、雨宮紗和はこの不可思議な夢に二年間悩まされている。
こんな悩み、家族や友達にも言えない。
疲れてるとか、悩みでもあるのかと心配されたらまだいいが、頭がおかしいと、
病院にでも連れていかれたら、たまったもんじゃない。
いや。一人いたな。この夢の話を知っている奴が。
どうせアイツは明日の朝ここに来る。その時に話してみるか。
そう思い寝直す。
今日はもう、あんな夢をみないように。
強く瞼を閉じながら、心からそう強く願った。