【短】半透明な愛を捧ぐ
…どうゆうこと?
なんで、お婆ちゃんがこの人のこと…
その時、玄関が開く音に反射的にあたしはさっきのページからセロハンテープを剥がして自分の机の引き出しにしまった。
「お母さんっ、見つけたよ!」
「あー、良かったあ。ありがとね」
母は安心したように目を細めた。
「──あら?このページ最初からこんなんだった?」
その言葉に肩がビクつく。良かった、後ろ向いてて。
「あたしお母さんの次に見るつもりだったから、」
「あ、そうなの?じゃあ、最初からね」
あたしは安堵のため息をして、ゆっくりそのまま上に上がった。
「……なんで、これしまったんだろ」
あたしは少し前にしまい込んだ黄ばんだ紙を見つめた。
でも、なんだかとても大切な物な気がする。
そしてさっきの日記を思い出す。
あのりきちと言う人、きっと夢の中に出てくる声の人だろう。