不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
◎風邪ひき少女と風邪ひき少年
ー心サイド
熱い。何だか布団が重い。辛い。
苦しさから目を覚ませば白い天井が目に入った。
独特の薬品の匂いが鼻をかすめる。
「…こ、こ…」
保健室?
「あら?目覚めた?具合は大丈夫?」
「…はい。」
声が掠れていて、喉の奥が痛かった。そんな私に気づいた先生はスポーツドリンクをさしだしてくる。受け取り、一口飲んだのをみてから先生が何かを思い出したように笑い、私を見た。
「素敵なお友達ね。」
「っ、え?」
「倒れたあなたを運んでくれた子達よ。」
「…誰が、?」
「佐倉君と、尾花さん、村上君に、それに乃木君…」
「…え、」
どうして、皆が?理来と喧嘩?してからの記憶がない。それに、なんで尾花さんや乃木くんまで…(村上君は理来とよく一緒にいるからわかる)
体温計を渡され、はかるように言われた。脇にはさむ。
しばらくするとピピ、と音がなった。
「まだ少し高いわね。今日は寮に帰らずここにいなさい。
先生用事があるから少しあけるけど、大丈夫よね?」
「…はい。」
「何かあったらそこの電話で職員室に内線かけなさいね。」
先生は最後にふふ、と笑うとカーテンをしめて出て行った。
「…」ぼんやりしながら時計をみると19時だった。