不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
とりあえず白石先生に旧アパートまでの道を聞いた。
荷物を持ち直し、仕方なくそこへ向かう。
「ここちゃん…頑張ってな!俺の部屋205号室だから何時でも来いよ!」
ひらひらと手を振って見送る村上君に手をふりかえし、旧アパートを目指して歩きだした。
___理来サイド
入学式も無事に終わり、今日はもうゆっくりできる。
俺はさっさと寮に行き、部屋で寝たかった。
とにかく疲れた。クラスの奴らに必要以上に絡まれるし。男子は「お前ほんとは女だろ?」とか言いながら
体中べたべた触って来るしもう最悪だ。
本当イライラする。
やっぱりもう少しレベルの高い高校行けば良かったかな。
いやでも心と一緒が良かったし。本人には口が裂けても言えないけどな。
そういえば心は上手くやってるのかな。あとでメールするか、と思った時だった。
「うっそ、マジで!?」
「可哀相〜…あそこお化けでるって噂だよ?」
「入学早々災難だよねあの子。名前なんだっけ?」
「Bクラスの川村さんだよ。」
「あ!思い出した!」
心の事を話している同じクラスの女子。
災難?
「何かあったのか?」
俺は気になり声をかけた。女子は振り向くなり顔を赤く染めて えぇと、 と急にしおらしくなる。
「Bクラスの川村さんの部屋がなくて、一人だけ旧アパートに移動することになったんだって。」
「は?」
「先生のミスらしいよ。可哀相だよね、入学早々乃木東矢にも目つけられてて。」
一瞬言葉の意味が理解できなかった。心が一人だけ旧アパート?
…ふざけんなよ俺の幼なじみを何だと思ってるんだ。
俺は担任の元まで走った。
「どうした佐倉。」と聞いてくる彼に俺は 旧アパートに移動させて下さい と言う。