不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
◎金髪少年と可愛い女の子
*
___心サイド
目の下にはクマが出来ていた。顔色も良いほうではない。
昨日、私は一睡もできなかったのだ。
理来とは喧嘩のようなものをしたから頼れなかった私は夜までアパートの外を探検して時間をつぶし、アパートから少し離れた位置にある食堂で夕食をとり、嫌々アパートに戻って風呂に入り、夜は電気をつけて布団にもぐりこんだ。
寝る前にお母さんに電話をしたが「今仕事で忙しいの」と言われ切られてしまった。
結局寝付けなかった私は布団の中で携帯をいじり、他校に進学した友人とメールをしたり携帯ゲームをしたりして時間を潰して朝をむかえた。
「はぁ…。」
Bクラスの自分の席につくなり、私はため息をついた。
相変わらず避けられていて寂しい。イジメがないだけマシだが、私は本気で学校をやめたくなってきた。
「ここちゃんおっはよー!」
「…おはよう。」
早朝から元気な声で挨拶をしてきた村上君は笑顔で私のもとにやってきた。
「元気ないなー、どうしたの?」
今の私にとって彼が唯一の癒しかもしれない。
「…私の部屋、幽霊でるの。」
「…え?」
「どうしよう、もう本気でやっていける気がしないよ!理来と乃木君もあのアパートにいるけど頼れないし!」
「え?理来と乃木も?」
彼はびっくりしたような顔をしたあと、大変だねと言って私の肩を叩いた。
幽霊の件はおいといて、理来と喧嘩まがいな事をしたと言えば理由を聞いてきた。
だがさすがに襲われそうになった、とは言いづらい。