不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
◎除霊活動と恋愛感情
*
「まだ教室にいたのか?」
「理来…」
帰りたくなかった私は一人教室に残っていた。
理来は私を見つけると教室に入ってきて、私の目の前の席に座る。
「怖いなら、俺の部屋来るか?」
「え?」
昨日は拒否されたのに…と思いながら彼をみると、少し頬を赤くして唇を尖らせていた。
「その、な、何もしねぇし…心が良かったら、だけど///」
「い、いいの?」
「…うん…昨日は、ごめんな。」
俺どうかしてた、と続ける彼は恥ずかしいのか私と視線をあわそうとしない。
そんな理来が可愛くて、私は思わず笑ってしまった。
「私こそ、酷いこと言ってごめんね。」
「…おう。…じゃ、帰るか。」
理来が椅子から立ち上がり鞄を持つ。私もそれに続く。
寮に向かう途中、理来はふと口を開いた。
「本当に、幽霊がでたんだよな?」
確認するように問い掛ける彼に強く頷けば、彼は少し考えてから決心したように私を見た。
「俺、今日心の部屋で寝ていい?」
「ええ!?怖くないの!?」
「うん。信じてないわけじゃないけど、昨日俺がみた幽霊は見間違いかもしれないし…、本当に幽霊が出るならもう一回確認したいから。」
「…理来が大丈夫ならいいけど。」
話しているうちに寮についた二人はボロボロの階段をのぼり、部屋に荷物を置くと食堂に向かった。